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12話 地下の巨大空間、放たれた光球と暴かれる異形の群れ

مؤلف: みみっく
last update تاريخ النشر: 2025-12-25 11:47:25

 足元の感覚が唐突に消えた。対人用なのか、あるいは巨大なモンスターを捕らえるためのものか、地面が音もなく崩落し、巨大な落とし穴がその口を開けた。

「うわっ!! なに……? えっ!? わぁぁぁ~~……」

 重力に引かれるまま、ユウヤの体は闇の中へと真っ逆さまに落ちていく。視界は一瞬で奪われ、冷たい風の音だけが耳元を掠めていく。地上から20メートルほども落ちただろうか。暗闇の底で、硬い地面が急速に迫ってくる。

 だが、地面スレスレのところでユウヤは咄嗟に反射神経を研ぎ澄ませ、自身の周囲に強固なバリアを展開した。

 激しい衝撃波が穴の底で渦巻き、土煙が舞い上がる。地面との衝突は寸前で回避され、バリアに守られたユウヤはふわりと軽い着地を決めた。

「はあ……死ぬかと思った。大規模な罠?」

 ユウヤは激しく脈打つ鼓動を鎮めながら、見上げた。遥か上方には、ぽっかりと丸く切り取られた灰色の空が小さく見える。どうやら、想像以上に深い場所まで落とされたようだった。

 そして、その穴の底。湿り気を帯びた空気の向こう側から、先ほどまでのゴブリンたちとは比較にならない、どろりとした重苦しい殺意が伝わってきた。

「もお……危ないなー。で、何ここ? 罠? ゴブリンの仕掛けた罠? そんな訳が無いかぁ……」

 ユウヤは冷や汗を拭い、暗闇の中で独りごちた。こんな大規模な罠、並の魔物には作れるはずがない。一回使い切りの仕掛けにしては手間がかかりすぎている。

「ここ、自然にできた洞窟か……」

 状況を把握するため、アイテム作成で球体の明かりを生み出し、周囲を照らしてみた。しかし、放たれた光は広大な闇に吸い込まれ、壁はおろか天井さえも見えない。ただ、足元にゴツゴツとした岩の地面が果てしなく続いていることだけが分かった。

「うわっ……大量の群れが、こちらに集まってきているなぁ……」

 地を這うような無数の足音と、飢えた獣たちが放つ不快な体臭。空間が広すぎて、先ほどの小さなライトでは全く役に立たない。ユウヤは辺りを完全に見渡すため、直径百八十センチはある巨大な光の球体を生成した。

 直視すれば目が眩むほどの強烈な輝きを放つライトが、頭上高くに設置された。

 その瞬間、闇に隠れていた光景が白日の下にさらされた。

「……うわ、気持ち悪いな」

 光に照らし出されたのは、数え切れないほどのゴブリン、そして地上では見たこともない異形のモンスターたちがひしめき合う姿だった。それらは突然の激光に目を細めながらも、獲物を見つけた歓喜に喉を鳴らし、一斉に襲いかかってくる。

 ユウヤは落ち着いた動作で、自身の周囲に不可視の刃を展開した。

 バリアを膝、腰、肩の三段階の高さで、円を描くように全周へ張り巡らせる。

 ドシュッ、ドシュッという肉を断つ音が、洞窟内に絶え間なく響き渡った。突進してきたモンスターたちは、ユウヤに触れることさえできず、展開されたバリアの層によって面白いように切断されていく。

 数分もしないうちに、ユウヤの周囲にはおびただしい数の亡骸が積み上がり、先ほどまでの喧騒が嘘のような静寂が訪れた。

「ふぅ……これで少しは静かになったかな」

 ユウヤは返り血一つ浴びていない涼しげな顔で、山を成す討伐個体の山を見渡した。

「あれ? 生き残りが数体いるけど……?」

 ユウヤは怪訝そうに眉を寄せた。おびただしい数の骸が転がる中、数体の影が平然と立ち尽くしていたのだ。

 それは、他のモンスターよりも一回り以上も大きく、岩石のような質感の肌を持つ、人形のモンスターだった。バリアの斬撃を受けても、火花が散るだけで傷一つ付いていない。

「バリアの攻撃が効かない……? 不味くないか……硬いのか? それとも、同じバリアを使ってるのか? うぅ~ん……ヤバイなぁ……逃げるか? 物理的攻撃は効かなそうだし……」

 ユウヤは、そのゴツい身体を慎重に観察した。外側から斬ろうとしても、強固な防御壁か、あるいは異常な硬度の皮膚に弾かれてしまう。だが、相手が襲いかかってこようと足を踏み出した瞬間、ユウヤの頭に閃きが走った。

「そうだ! 外側から斬ろうとするから、倒せなかったんだよな? 外のガードがどれだけ硬くても、内側からの攻撃は防げないだろ」

 ユウヤは、ターゲットの一体の体内の中心部に意識を集中させた。そして、その肉体の内側に、バリアで作ったウニのような鋭いトゲトゲをイメージし、一気に出現させた。

「ギ、ギガッ……!?」

 モンスターの眼球が大きく見開き、口からどろりとした体液が溢れ出した。突如として体内に現れた無数の異物が、強靭な外殻の内側で臓器や血管を無慈悲に突き破り、かき回したのだ。

 巨体は糸が切れた人形のように、あっけなく膝から崩れ落ちた。

「よし、やっぱりいけるな」

 確信を得たユウヤは、残りの生き残っている個体にも同じ要領でバリアを駆使した。体内への直接攻撃という、防御を無視した冷酷な一撃の前に、あんなにゴツかったモンスターたちが次々と絶命していく。

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